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zoom RSS ディッシュに狙われたソフトバンクのスプリント買収戦略

<<   作成日時 : 2013/04/16 21:54   >>

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ディッシュがやってくれましたねぇ。米国の衛星放送会社ディッシュ・ネットワークがスプリント買収に名乗りを上げ、市場の話題をかっさらっていきました。会長のチャーリーアーゲン(Charlie Ergen)は「衛星から携帯へという自社事業の大転換を目指す」として買収先を模索していましたが、ついにスプリント級に手が出せるほどに資金調達してきたようです。

買収スキームは異なるようですが、額面で大きくソフトバンクを上回る255億ドルを提示し、そしてトータルで13%のプレミアムを上乗せした提案に、資金運用で苦慮するヘッジファンドが喜ばないわけがありません。本気の買収か或いは当て馬かに寄らず、株主の同意を取り付けるために、結果的にソフトバンクは新たな買収案を提示せざるを得なくなるでしょう。

折角為替予約で数千億円を費用削減したと浮かれた記事が出回っていたのに、これでは真逆となってしまいそうです。200億ドルに対して為替予約が82.20円で1,6440億円と、92円当時で2000億円も上手い取引をしたと評価されたというのに、仮に新たな買収提案を要求されれば為替予約は100円を超えるでしょう。株主たちは当然新たな為替予約締結を求めるだろうし、そうなればチャラになるどころか新たな資金調達を求められる。100円でも2兆円だが、ディッシュの提案が13%上乗せであることを考えると、これを上回るために15%以上となるでしょうか。

そうなると30億ドル程度の支出と共に、結局2.3兆円に膨れ上がってしまうのではないだろうか。当初が1,6644億円だから、ざっと6千億円も膨れてしまう計算になる。勿論買収手続きが長引けば円安の進行でよりソフトバンクの懐は痛めつけられる。ディッシュは持久戦・時間稼ぎが成功への道ではないでしょうか。

ディッシュの提案は携帯電話と衛星放送の融合でシナジーを得られるとしているし、自社が持つ衛星用の携帯電話用への転用が認められた周波数帯などと共に設備運用効率化を主張している。これに対してソフトバンクは米国でのHuawei、ZTEなど中国製機器の使用を禁じられているので、インフラ構築費用がかさんでしまう。それに日本での成功体験が米国で通じる筈も無い。iPhone先行導入メリットは存在しないので無料戦略も取り難い。何のための米国参入かただでさえ疑問視されているのだから、ディッシュ相手に株主たちを説得できるほどの提案をすることが出来るのだろうか。


競合他社が既にインターネット接続サービスや携帯電話サービスを開始している中で、ディッシュは衛星放送しかないため今後の成長に非常に苦慮しています。リーマンショック以降に進む”コードカッティング(割高な有料テレビを解約してウェブなどの代替手段に乗り換える)”の流れの中で、何としてでもブロードバンド回線を獲得しなければならない事情があり契約数が頭打ちの状態。このため買収が本気であることには間違いないでしょう。


このため昨年からMetroPCS買収に動いたりしていますが、衛星放送を持つ以上、今後の戦略において全国展開サービスは不可欠。よってMetroPCS単独よりもT−Mobile(含む、MetroPCS買収成功時)やSprintの方を獲得したいでしょう。予てからの資金調達で100億ドル程度は集まったようで、漸くこの辺りに手が届き始めた状況。それが今回の公表に繋がったと考えるとしっくりいく。

不可解と言われたクリアワイヤの買収合戦参入ですが、少なくともこの買収劇で見えているのはクリアワイヤの株主への説得がより困難になり買収額を釣り上げさせられていること。これが買収の遅滞を引き起こして時間を稼いでいると見えなくもありません。元々過半数を持つスプリントに分がありディッシュが買収成功できる見込みはなかった案件だ。この横槍でいくつかの計画が狂い始めたスプリントとソフトバンク。そして今回の買収提案である。そう考えると、このチャーリーアーゲンという人物、ギャンブラーと言われるのも頷けます。

元プロのギャンブラーと言われるチャーリーアーゲンは、ディッシュ経営においても独裁者でマイクロマネジメントをするほど細部まで指示を飛ばす人物のようなので、一連の買収案件も相当策を練っていると考えた方がよさそうです。このスプリントへの提案と時を同じくしてドイツテレコムへ(T−Mobileの親会社)も接触を試みているし、破たんしたLightSquaredも間接的に動いているといった指摘もあります。最終目的は全国移動通信網の獲得であり、そのためのカードをいくつか揃えながら目標達成のための戦略なのでしょう。そのうえT−Mobileよりもスプリントの方が有望だろうし、保有する周波数帯(FCCから転用が承認されたAWS帯の一部)の干渉問題の点でも、スプリント買収の方が都合がよいようです。他社買収となった場合、この該当周波数帯の1/3が利用できなくなってしまう。



米国通信事業の台風の目となるディッシュ・ネットワークとチャーリーアーゲン。日本の国益のためにも、年金のためにも是非スプリント買収に成功してほしいものです。果たしてプロのギャンブラーに、孫正義は太刀打ちできるのか?そんな金、あるのか?


<以下、参考>
2013年 4月 16日 07:21 JST.スプリントにディッシュが買収提案─ソフトバンク提案に13%上乗せ
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323846104578425212843247042.html?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

ディッシュがスプリントに買収提案−ソフトバンクに対抗
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLAMSE6TTDUS01.html

「アメリカでいちばん意地悪な会社」ディッシュ・ネットワーク - (page 3)
三国大洋 2013年01月10日 13時02分
http://japan.zdnet.com/cio/sp_12mikunitaiyoh/35026732/3/

スプリントにクリアワイヤ株主から圧力 - 株式買収価格引き上げの可能性(Bloomberg)2013.01.29
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201301291059.html

ヘッジファンドのアウレリウス、クリアワイヤに資金調達案を提案
2013年 04月 10日 09:57 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK832448620130410

米衛星放送のDISH Network、ソフトバンク対抗でスプリントに買収提案 2013/04/16
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130416/471101/

米ライトスクェアードの経営権争い、ディッシュ関連のヘッジファンドが参入か(WSJ報道)
2013.04.08
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201304081152.html

米ディッシュ:10億ドル調達へ−買収など戦略的取引に利用も
4月2日(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKNN136S973P01.html

米ディッシュ、ドイツテレコムに接近 - 米T-モバイル買収の可能性を視野に(Bloomberg報道)
2013.04.15
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201304151146.html



ところで…ゴールドが大暴落ですね…恐ろしい。今日はディッシュの件が長くなりましたので、このことについてはまた別の機会で。



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