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zoom RSS マネー飢餓状態からの脱却

<<   作成日時 : 2013/06/06 22:21   >>

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今回はマーティン・ウルフ氏の記事を中心に取り上げます。アベノミクスを支える政策を理解するうえで非常に有益であるためです。この背景を理解することに損はないでしょう。

WSJでも書かれていたりしますが、ただでさえ異常なほどの低利回りであるにも関わらず、それが国債への過度な需要と株式等リスク資産からの回避であるにも関わらず、株価上昇をバブルで危険だと言い、国債利回り上昇を危険だという。その一方で、アベノミクスの失速で、更に政府累積債務が拡大したにも拘らずリスク回避で資産が流れ込むんで再び日本国債バブルが来るという、、、なんなんでしょう、このロジックは。

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さらに言えば、高格付けの国債の利回りがこのところ上昇していることは、成功の兆しだと見て間違いないだろう。何かが起こっているように見えるとしたら、それは経済に対する信頼感がいくらか再生しつつあるのだ。

もし我々の期待通りに景気回復基調が根付けば、利回りはさらに上昇するだろう。長期の名目・実質金利が永遠に最低水準に張り付くなどとは、誰も思っていなかったはずだ。


Financial Times
米国経済はバーナンキ議長に大いに助けられた
ウォール街のFRB批判が見当外れな理由
2013.06.06(木)
By Martin Wolf
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37953
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株式の上昇とこれに続く実体経済の回復を以て、その緩和策を終了させるように動こうとするインセンティブは当然だ。問題はその動きがまだ時期尚早と考えている人たちか、実際にそうである人たちがどれだけいるかだろう。実体経済が表面上の数字によってより装飾されていることはよく知られている。
 
しかしながら、景気回復が国債利回りを上昇させるものであるという一定の理解・コンセンサスが市場には形成されていないという何ともお粗末なことだろうか。金融機関が理解していない筈もないので、これは個人投資家など理解不足の人たちが、メディアを通じた情報によって振り回されているというのが実態というべきか。景気が回復したらリスク資産に資金が流れ、そのせいで国家破産に至るとでも言いたいのだろう。そうなると、結論的には景気が回復せずに財政赤字拡大で国家破産となるか、同じく回復せずに縮小経済が加速するかの3通りしかなく、全部が破滅の道しかないことになる。


黒田日銀に対する批判は、FRBへの批判と同じでもある。そのFRBへの批判の一つが中銀という哲学上の定義に基づくものであるという、何とも非科学的だ。その哲学も今まで支配してきたものが天動説であるという、迷惑この上なかったりする。

『FRBの政策に対する批判が非常に的外れであるのはなぜなのか? これには哲学的な答えと、これよりも的を絞った経済に関する答えとがある。

 哲学的な答えは、中央銀行は公的な目的を課せられた公的な機関である、というものだ。中央銀行の役割は、金融の変動から経済を守って安定させることにある。一部には、混乱の責任はすべて中央銀行にあると断言する向きがある。

 しかしこれについては、借金が増えていく信用主導の金融システムはその内部に不安定性を作り出すという故ハイマン・ミンスキーの見方の方が、妥当性が高いように思われる。

経済に関する答えは、金融危機で中断されたマネー創造は、平時であれば民間の金融機関――つまり、銀行――が担う仕事である、というものだ。



平時と有事の役割の違い…まさに公共機関が何のために存在するのか、という当たり前の問いと大して変わらない。言い換えれば市場原理主義はセーフティネット不要だと言っている。


『世間では、中央銀行のバランスシートが拡大していることがかなり注目されている。しかし、それよりもはるかに重要なのは広義のマネタリーアグリゲート(通貨集計量)、つまり一般の人々が手にしているマネーの量を測る指標だ。

 広義のマネーが増えるかどうかは、貸し出しの増加に対する銀行の姿勢に左右されるが、金融危機の後はこのマネーが全く増加していない。

この様子は、「ディビジア・ブロードマネー」として知られる指標を見ればよく分かる。ニューヨークの調査会社、金融安定センター(CFS)の試算によれば、この指標で見た2013年4月時点の通貨供給量は、2008年10月時点のそれをわずか0.7%上回るにとどまった。FRBが自らのバランスシートを拡大したにもかかわらず、だ。

 マネーは豊富にあるのではない。むしろ、マネー飢饉の状態にあるのだ。



この”マネーが増えない”問題についてはここでも何度か取り上げてきた。プリンティングマネーというものの、信用創造が働かずに、平時と同じレベルで供給量が増えていない。これが回復するまでは、供給量を絞ることは難しいとも言えるだろう。にも拘らず、支配的なのは”中央銀行がマネーを大量に刷りまくってハイパーインフレを引き起こしかねない”というもの。一般人ならいざ知らず、有識者がこのレベルであるのには始末に負えない。これで飯を食えるのだから楽な商売だ。


『経済に関する2番目の答えは、金融危機は米国の実質住宅価格の下落と同時に起こり、金融機関と家計をデレバレッジング(負債圧縮)に走らせたというものだ。このような経済を縮小させる力を打ち消すためには、強力な金融・財政政策を発動する必要があった。


何故、株価上昇が必要なのか。インフレが必要なのか。資産の含み益を作り出すことが、支出抑制打破のための処方箋であるからだ。特に個人資産の中でも大部分を占める不動産等固定資産と株式に刺激を与え、まずはこれを上昇させることが、支出へのインセンティブを与えることになる。実際に株価上昇で獲得した含み益は財布のひもを緩ませたし、資金運用の財務状況を改善させて企業のコストカット圧力を緩和させた。そのゆるんだ財布とインフレ期待と金利上昇懸念により不動産獲得への動きが活発になっている。特に内需の規模が大きい日本経済においては、輸出依存度の高い韓国とは違って為替効果による経済刺激よりもこちらの方が大きい。信用創造させないと経済は回復しない。デフレで金をためることこそ価値としては、縮小こそすれ拡大することはない。


株価は実体経済の反映という順序以外を容認できない経済学者もいるようだが、それこそ不見識だろう。将来の不確実さが引き起こす問題は、その不確実さを取り除くことこそが先決で、株価上昇の先行は正に必須である。


既に財政出動をやめてしまった米国が、再び経済成長が鈍化して下手をすればデフレの危機に陥るかもしれない。その恐怖からFRBの緩和策終了に懸念を持つのも当然だ。しかし一部で指摘されるように、主張している内容はさして前から変わっていないのに、今回は緩和策を終了させるといった空気に支配されているのは、哲学的抗争の表れなのだろうか?国内経済を冷やしては、資金が海外に流れるというデフレ化の日本の二の舞になる。


『異例な状況には、異例な対策が求められる。FRBを激しく批判する人々は、想像力を欠くか、または、FRB(および他の中央銀行)が何もしなかった場合に経済と市民に起きただろう事態に無関心か、どちらかだ。』


アベノミクス批判者にも同じ話が適用できる。半年前に戻りたいのかと。いやそれだけではない。恐らくはこの相場を利用できなかったことによる世界経済への波及も考慮しなければならない。何処の金融危機が更に悪化していることなぞ、想像することは容易過ぎる。短期的利益を貪られてあわてる必要は日本にはない。既に半年前を大幅に上回る株価である上、長期投資的性格上、今後の上昇トレンドが維持されればよいだけだ。日本は長期利益を求めるミセスワタナベであって、短期利益を貪るヘッジファンドではない。


将来の不確実性への対処、それこそはケインズ政策であり公的部門の担う責務である。そしてかなりの財政出動を伴うこの政策を容易に実行し得るのは、通貨発行権を有すると共に、十分な成長のための技術力を有し且つ国内で経済を回している日本のみである。外資依存の国や技術力の無い国では同様の政策を打つことは出来ない。デフレからインフレに転じる為にはパラダイムシフトを起こさなければならず、ショックが必要にもなる。「Shock and awe」とは正しくこれに適した言葉と言えるだろう。そしてそれを持続させるためにも成長戦略という将来の不確実性の排除が必要であって、それは民間部門だけでは作り出すことは出来ない。


成長戦略で掲げるビジョンは何でもいい。但しどうせやるならより良い社会にするに越したことはないだけだ。ポイントは、そのビジョンに国民が共感でき、その方向へと歩むのだという共通の理解を得られるかどうかにかかっている。アベノミクス第三の矢に求められるのは、そういうことだ。その足並みを今のメディアはあえて乱そうとしているのだろう。ナショナリズムの強みを発揮させたくないのは、やはりそうした資金が流れているからなのか。



しかし、このような秀逸なウルフ氏の記事に対して、こちらは何ともレベルの低い記事だろう。何を言っているのかよく分からない。


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 アベノミクスは失敗するかもしれないとの最初の兆候は、大量の債券買いによって市場に流動性をあふれさせるという日本銀行の政策が、想定していた投資資金の海外流出をもたらせなかったことが明らかになったことだ。


 その代わりに起きたのは、株価が急上昇する中での日本国債の下落だった。結局、利回りが上昇して借り入れコストが高まり、少なくとも政策目標の一部が挫折してしまった。
2013年 6月 06日 08:55 JSTアベノミクスによる円安は終わりか
By NICK HASTINGS
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323614804578527942199090454.html?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst
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しかしながらより強い将来の不確実性の増大、特にそれは欧州のリセッションよりも強く働いている米国の金融緩和終了への懸念。アベノミクス第三の矢に対する失望というよりも、新興国を含めた資金の巻き戻しが強烈に起きているというのが正確なところであるのを捻じ曲げるのは、少なくともその一部に中国韓国の資金が流れていると予想できる。G8に対しても円安批判をするように強く求めているが、さてこの円高・株安のままG8に突入すれば、韓国のロビーは不発に終わることになる。そのため事態の反転は再来週に持ち越されるかもしれないが、今日の菅官房長官の追加発言にもあるように、相場への調整努力は続けられるだろう。


米緩和縮小懸念で海外投資家離れ−東南アジア株式相場が暗転
6月5日(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MNWIY36S972901.html



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株や為替の乱高下は目新しい投資先のないヘッジファンドの日米間の空売り買戻しの繰り返し相場なのだろう、確かに第三の矢は諮問委員の業界エゴが出ているが政権を安定させた選挙後に業界や官僚の抵抗が強い農業、エネルギー、先端医療、新素材等の本丸成長戦略が出てくるだろう、それまで外資は利確後の下げ相場で成長株を物色する、
ain26
2013/06/07 12:35

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