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zoom RSS サムスンは、サムスンディスプレイを切るのか?

<<   作成日時 : 2013/03/10 07:21   >>

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朝鮮半島情勢が緊迫化の度合いを増しており、3.11のキーリゾルブ実施で半島休戦白紙化を示唆する北朝鮮。このことが決定打になったのか米中合意となり制裁に法的拘束力を持たせる安保理決議が可決された。物理的戦争の前段階である経済制裁は最終段階となり、追加核実験が政権安定のために不可欠なうえ、政権維持のために残された時間が無くなってきたため、半島有事は秒読み段階に入っているともいえます。

半島有事勃発で韓国国内が大混乱に陥ることは、その首都があまりにも北朝鮮に近いという脆弱性だけでなく、経済面でもソウル近郊に集中する。例えばサムスンディスプレイのパネル工場は以下に位置していますが、仮に戦争被害を免れてもパネル供給面でサプライチェーンに大きな影響を及ぼすことは容易に想像出来ます。LGは北朝鮮まで20km以下の場所に建設している工場を有するため、物理的被害を受ける可能性もあります。有事の際に被害を免れ得るのはLGの亀尾工場くらいでしょうか。坡州工場はTV向けパネルのため、特にTV用の韓国製ディスプレイ供給はかなり困難な状況に陥るかもしれません。今年稼働予定のIGZOラインも危機に晒されています。

LGの亀尾工場はモバイル向けのため、iPhoneのパネル供給がLGと日本企業2社によるものになっているため、iPhoneへのインパクトはこの点では避けられそうです。それ以外の部材もサムスン外しとマルチベンダ化により、ある程度は確保されているのではないでしょうか。

<サムスンディスプレイ工場>
・京畿道龍仁市器興
・忠清南道天安市
・忠清南道牙山市湯井

<LG工場>
・慶尚北道亀尾市
・京畿道坡州市

そのような状況にある韓国製ディスプレイにあって、最近LGがサムスンを凌駕し始めています。昨年の液晶パネルの世界シェアではLGが上回り、また第四四半期の売上高でもサムスンを抜いています。これはアップルという供給先で対照的となったことも大きすぎる要因でしょう。


LGディスプレー、液晶パネル業界首位に浮上 2013/03/06 08:32
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/06/2013030600482.html


ディスプレイ事業においては両社とも苦戦が続いており、決してビジネスが成り立っているわけではありません。直近では黒字が確保できたものの、慢性的な赤字体質は変わっておらず、おそらくはTV向けパネルの戦略が大きく左右するのでしょう。特に2011年は液晶パネル市場が10%も縮小したことで業界に与えたダメージは凄まじかったようです。2012年は反転して7%成長したようですが、2011年の反動でしょうか。

反面スマートフォン需要は市場が未飽和であることもあり急速にコモディティ化することもなく一定レベルの価格は維持されるように思えます。しかしTV向けは価格攻勢によって自らが壊した市場に苦戦しているというよく意味が分からない状況にあります。あれだけのウォン安恩恵にあずかりながら巨額の赤字を積み重ねるのは一体どういう事業戦略なのでしょうか。

サムスンディスプレイは昨年に3社合併による新会社となって再スタートを切っていますが、SMDというモバイル向け事業と統合しなければ事業として成り立たないので、逆に言えばTV向け事業の実態隠しであり、救済であると言えます。しかし急激に進行した昨年来のウォン高は、ウォン安にありながら赤字状態にあったTV向けパネル事業を更に苦境に立たせる結果となったことは想像に難くありません。

サムスンがシャープへの資本参加をしたことは衝撃的であり、敵対する企業からの塩に甘んじなければならないほどに崖っぷちにあるシャープは、サムスンに更に浸食された上に技術も奪われて、骨と皮だけになるのかと危惧する人も多いと思います。公式見解では技術供与は無いと言われていますが、正攻法で取れなくとも様々な手段を駆使して技術を収奪してきたサムスンであることは忘れるわけにはいきません。シャープの生産工場におけるノウハウは風前の灯ではないのでしょうか。

しかしながらサムスンとしても、先だって行われたCESにみられるように、TV事業の将来性は他社に対してビハインドにあり、決して優位に立っているわけではありません。シャープは第10世代の生産工場を持つものの、サムスンは未だ第8世代であり設備投資が求められています。しかしながらTV事業の巨額の赤字体質がウォン高により更に悪化しているために、容易に実施できず競争力を急速に失っていく可能性が高いです。折角のモバイル系での利益をみすみす赤字ビジネスに垂れ流すほどの余裕は、分社化された企業にはないでしょう。

またOLEDでも方式の違いから競争力に疑問符がついています。サムスンが採用しているRGB方式は歩留まりが悪いとされ、LGに対して劣勢です。低価格路線でのビジネスモデルとしては難しくなるでしょう。しかし高価格帯ではシャープ、パナソニック、ソニーらに対抗する必要がある上、同じ方式で歩留まりで勝負するのはよい勝負ではありません。よって次世代パネル競争でサムスンディスプレイが置かれる立場は悪いと考えるべきでしょう。


また内製化を進めているという点でも、品質面での懸念を生じさせます。こうした”円安””ディスプレイ事業構造””OLED技術競争力”といった逆風が吹き荒れる中で、時間稼ぎが求められるサムスン。シャープへの出資は、技術収奪のみならず対LG対策としての供給先としての期待もあると考えられます。それは円安により更に有益となることでしょう。その反面、サムスンディスプレイからの調達では競争力を維持できないと考えているともいえるため、これらの問題を是正できなければ、将来的なサムスンディスプレイの切り離しという可能性が出てきそうです。


そして僅か100億程度で時間稼ぎ出来たサムスンは、やはり事業戦略としてうまくやったのでしょうし、加えて政府としても倒産を避けさせたいシャープへのサムスンへの供給という餌が、半島への日本支援という韓国国家安全保障にも寄与することになるとすれば、実はこの資本提携が意味するものは、更に大きなものであるということかも知れません。



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内 容 ニックネーム/日時
反米を叫びながら米の軍事プレゼンスを利用して親中派や開国拒否派の一掃を企んでいるとしか思えない局地戦での解放後、金一族の身分保障と引き換えに自由経済圏に移行する可能性が高い騒がない所を見ると日米露韓で話は付いているのだろう
ain26
2013/03/10 12:31

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