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zoom RSS LNGとエネルギー安全保障

<<   作成日時 : 2013/02/28 20:33   >>

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LNG一大輸入地域である東アジア、そして最大の消費国である日本。これに対して中東の輸出量の増大の一方で、欧州・旧ソ連圏もこれを追従する状況にある。

日本は震災前後で様相を一変させ、現在は9000万トン規模の需要に拡大しており、中東への輸入依存も大きくなったことで、脱中東依存から逆戻りしてしまった。エネルギー安全保障戦略は、震災というよりも脱原発運動によって一変してしまった。漸く軌道修正を示し始めたものの、少なくとも以前レベルの耐性にまで戻すには相当の努力が必要だろう。

脱原発の影響でLNG調達に奔走した日本は、LNG輸出国全18か国中、リビアを除く17か国より調達という、本当に”世界中からかき集めた”状態にあったというのが相応しい。特にカタール、ロシアからの調達増加が目立ち、中東・アフリカ依存度の増大(カタール、ナイジェリア、赤道ギニア)という結果を齎した。

輸出国 長期契約輸入量 契約量と輸入量との差(万トン)
UAE 430 564 134
ブルネイ 601 1513 17
マレーシア 1541 1513 -28
インドネシア 583 791 208
カタール 600 1430 830
オマーン 303 423 120
オーストラリア 1326 1359 33
ロシア 494 777 283
-----------------------(以上、長期契約国)
アメリカ 24
トリニダード・トバゴ 26
ペルー 75
アルジェリア 11
エジプト 85
ナイジェリア 334
赤道ギニア 212
ノルウェー 34
イエメン 36
ベルギー 6


日本は急激な需要増で足元を見られ、国富が著しく流出している。脱原発によって2兆円以上の国富流出を年間負担しなければならないという事態を、大衆民主化した日本の有権者は知る由もないし、知ろうともしないだろう。世論という大衆民主主義による民意がもたらした結果に責任は取ろうとしない。長期契約とのギャップが2500万トン(2011年度)と30%にも上っているのは、前年が8%であることを踏まえれば尋常ではない様子が窺える。

画像

日本の発電比率

天然ガス価格には2つ存在し、一つは伝統的な商習慣である石油とリンクさせるもので主に欧州地域、もう一つは需給バランスによって決まる米国価格。シェールガス革命以前はどちらも同じような価格を推移していたものの、革命以降では米国価格が大きく下落したために完全に二極化状態となった。その中で日本は伝統的な価格決定方式である前者での購入となっているうえに、最も高値で掴まされている状態にある。完全に足元を見られていると言えるだろう。おまけに米国は日本への輸出に規制をかけている。日米の価格差は8倍にまで開いてしまった。一方の欧州との比較でも、数割のビハインドがある。

画像

LNG価格推移

-------------------------------------------------------------------
(3)エネルギー
(ア)安倍総理より,震災後,我が国では増大する燃料費の削減が喫緊の課題であり,米国産の液化天然ガス(LNG)の対日輸出が早期に承認されるよう改めてお願いする旨述べた。これに対しオバマ大統領より,米国における輸出許可についての審査はまだ続いているが,同盟国としての日本の重要性は常に念頭に置いている旨述べた。
(イ)安倍総理より,低炭素社会実現のため,これまで両国間で取り組んできたクリーンエネルギー開発・普及に向けた協力に加え,ファイナンス等のビジネス分野に協力範囲を拡充していきたい旨述べた。
(ウ)安倍総理より,我が国の原子力政策について,「2030年代に原発稼働ゼロを可能とする」との前政権の方針は,ゼロベースで見直し,責任あるエネルギー政策を構築する旨述べるとともに,米国とは国際的な原子力協力のパートナーとして様々なレベルで緊密に連携していきたいと述べた。これに対しオバマ大統領より,クリーンエネルギーや原子力の分野で,日米間の協力を進めていきたい旨の反応があった。

日米首脳会談(概要)
平成25年2月22日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_abe2/vti_1302/us.html
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一方、日本のLNG市場を虎視眈々と狙うロシアは、サハリンに生産施設を持つ。東アジア、特に日本という巨大マーケットが他国に奪われていくのを指を咥えてみているはずがない。嘗てサハリン開発で邪魔をされたガズプロムの排除に動こうとするのは、メドベージェフとの関係を踏まえると何かしらの軋轢があるものと思わせるが、国有企業の弊害が強くなってきたからだろうか。兎に角LNGの自由化に舵を切ろうとしている。


<参考資料>
IEE Japan 資料9 「LNG調達の現状と課題」
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denkiryokin/pdf/012_09_00.pdf

IEEJ:東日本大震災後のLNG受給の状況
http://eneken.ieej.or.jp/data/4374.pdf

ロシア、LNG輸出を段階的自由化 大統領が検討指示
2013/2/14 10:59
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1308J_U3A210C1EB2000/


ロシアからエネルギーを調達するにせよ、平和条約のない国同士。現状のままでその依存度を高めることが却って日本のエネルギー安全保障を脅かすことになりかねない。



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